JWTC夏の勉強会&食事会

2019年8月22日(木) 参加者18名(会員15名/ビジター3名)
会場 トラットリア イプリミギンザ(松屋銀座8階)

女性ジャーナリストに訊く

「日常に溢れるハラスメント問題」

夏の勉強会は、ハラスメント問題に精通されているジャーナリスト・林美子氏をお迎えし、日常を取り巻く様々なハラスメントの意味やその対策方法について-今回は、特にセクハラにスポットを当ててお話しくださいました。

近年で話題になった性暴力・セクハラをめぐる事件などの実例を取り上げてお話しくださるなかで、2018年4月に起こったテレビ局記者に対する財務省事務次官のセクシュアル・ハラスメント事件が、局内部の告発では解決できず週刊誌掲載にまでおよんだことや、財務大臣による問題発言が続いたことでメディアで働く女性が政府等に対する要望を発するために「メディアで働く女性ネットワーク」の設立にいたるきっかけとなったことなどハッとさせられるお話がありました。

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近年、ようやく採用比率が男女半々になったものの、未だに新聞記者のうちの女性比率2割しかない状況や、業界内の女性の前時代的な低い立場をみてメディアへの就職を迷う女子学生が増えてしまうのではないかと林先生は心配していらっしゃいます。

2016年の調査によれば、女性労働者の28.7%、約830万人がセクシュアルハラスメントを経験しており、これは昔話ではなく、今でも自分の身の周りの女性スタッフが社内外で本来の業務とは関係のないセクシャルな声かけ、質問、冷やかし等受ける場面に遭遇しています。自分がまだ対処のすべを知らなかった若い時の戸惑いなど、なぜが思い出してしまいます。

林先生は昔先輩から言われた納得しかねる発言を、長い時間を経過して歳を経たのち疑問として先輩に質すことができましたが、もやもやした気持ちを抱えたまま今日にいたる世の女性は多いでしょう。女性は働く環境で、就職前に仕事か結婚かを選択するように就職面接で意思表示を求められた時代もあり、就職したあとは、結婚・妊娠・育児そして介護など仕事との両立に奮闘しつつ、励ましと同じだけの無理解や無神経な発言を受け入れ、折り合いをつけて働く必要があります。そのため、林先生の「三つの無理解」で主張されたコメントには大変考えさせられました。セクハラは性暴力であること、社内でセクハラ事例があれば、加害者でなく被害者が配属替えとなる例が多いこと、セクハラ・パワハラ・クレーム処理などで、本来なら会社は社員を守る存在であるはずであること。聴講したことによって新しい視座を得ることができ、大変感謝しております。

私は20代のとき、会社内での立ち位置、身の振り方、在籍する会社で働き続けることに対する先の見通しなど、大いに迷った経験があります。その時に手に取った『母が教えてくれなかったゲーム』というビジネス書を今回の講演後に改めて読み返しましたが、法律整備が整っている今でも実態はあまり変わっていないような気がしてなりません。そんな中でも自分ができることを自問し、社内での業務外の様々なシーンで、対処法を知らない後輩には声をかける事ができる人でありたいと思いました。

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60分立ちっぱなしの熱い講義
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講演会のあとは冷えたスプマンテで乾杯!

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