JWTC&JATA 第8回勉強会

2017年5月17日(水) 参加者63名(JATA39名、JWTC20名、ビジター10名)

「マーケティング・フレームワークで瞬時に企画を生み出す」

株式会社Harajiri Marketing Design 代表取締役社長、龍谷大学客員教授 原尻 淳一氏講演

マーケティングで数々の実績がある龍谷大学客員教授の原尻淳一氏を講師にお迎えし、失敗しにくい、筋の通ったビジネスプランを素早く作ることができる「マーケティング・フレームワーク」の考え方や実践方法について講演していただきました。

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マーケティング理論をシンプルにまとめて明るく語る講師の原尻氏
経営学者フィリップ・コトラー氏のマーケテイング・マネジメント論の中から「マーケティング・サイクル」について具体的な説明から始まりました。

①リサーチ

②戦略(STP)

③具体策(4Pの戦略、P=PRODUCT、PRICE、PLACE、PROMOTION)

④実行

⑤管理コントロール

市場分解した中で自分のビジネスの追い風、向かい風を把握した中で世の中を分析し、世の中のトレンドに敏感に察知し判断する。その追い風を自分の会社の強みにぶつけた時にどんな企画が生まれるかを考えるのが基本。

アイデア発想は世の中を割り算することから始まり、ビジネス環境を分析し、その後、プラス要因を掛け算か、足し算か、あるいは余計なものを引き算する形で考える。要するに数学の四則混合です。自動車に例えると、掛け算で全く新しくフルモデルチェンジするか、今の車体にプラスアルファしたり、余計なものを取ってよさを際立たせるマイナーチェンジかになるでしょう。よくイノベーションというが、イノベーションの肝は他業界の素晴らしい構造を自らのビジネス環境に取り込むことで生じます。回転寿しは、ビール工場を見学した時に自社に応用できないかと考えたことから始まり、ポカリスエットは、医者が手術後の栄養補給に点滴袋を飲んでいたところを見て考えついたとも言われています。無印良品のホームページでは、お客さんと商品開発を考える窓口を持ち、お客さまとのやり取りをオープンにしたIDEA PARKがあります。その構造をEテレが再放送を視聴者と決める仕組みとして取り入れています。これが身近なイノベーションの事例です

gyoto ビジネス戦略は3つの要素で

企画アイデアは戦略と繋がって経営にインパクトを生み出す。ビジネスにおける戦略はシンプルであって、頭数を増やすか、頻度を上げるか、量を増やすかの3つしかない。売上を作る、会社に利益をもたらすことを念頭に考えれば、売上を分解して考える事が基本です。

コンシューマーのマーケティングで戦略性がどう結びついているかは気になるところ。そこでコンビニの戦略と施策のつながりを分析し、グループワークで議論が行われた。実際にコンビニの店長になったと想定し、売上を1.2倍にするためのアイデアを班ごとに発表。

さらに新しい顧客を連れてくるには「ニュース性」が大事ということで「ゲーム性のある旅」を考えるグループワークも行いました。

やってみよう、作ってみようと思うことが大切だ。ビジネス環境を見渡し、プラス要因を探し、自分のアイデアとぶつける。どこと紐づいているか、磨かれた企画になりひょっとするとヒット商品にもなる。マーケティングはやりだすと緻密な作業だ。考え方の道具・武器になるとの説に、皆さん高揚した表情で会場をあとにしました。

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さまざまな業界から参加され、男女半々の申し込みがありました。グループ討議も取り入れた勉強会は、あっという間に時間がたち、続編が欲しいとの声も上がりました
旅行業界では乗り物要素、旅行地要素など、何でくくるか、世の中の世界情勢はどうなっているか。自社競合、他社は何にとりくんでいるか、プラス要因とマイナス要因に分けることが重要。よく見て分析すれば、アイデアがでてきますと熱く語る原尻講師

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