JAL経営破綻から再生までの軌跡

~破綻・再生劇の舞台裏と今に生きる私たちへの教訓~

日時:2024年5月15日(水)19:00~20:00
講師:江利川 宗光(えりかわ むねみつ)様

2024年度第一回JWTCの勉強会はJTBツーリズムビジネスカレッジにて江利川 宗光(えりかわ むねみつ)様にご講演をいただきました。
江利川 宗光様はJALの要職を歴任され、JAL経営破綻から再生までの貴重なお話しを拝聴いたしました。

●自己紹介
2009:本社人事部長に就任
2010:入社25年目、満50歳の年に会社が破綻(1月19日)
同年12月に執行役員人事本部長に就任
2013:執行役員中国地区総代表に就任(北京に駐在)
2018:(株)ジャルパック代表取締役社長に就任
2022:同代表取締役社長を退任
(同時に37年間勤めたJALグループからも完全に退職)
同年:公益財団法人群馬県観光物産国際協会専務理事
2023:株式会社良知経営入社
現在:同社常務執行役員経営支援本部長


●JAL破綻から再生までの4年間 を振り返り学ばれたこと

破綻→更生手続き開始→更生手続き期間→真の再生と永続的な発展を目指して

①リーダーは組織とメンバーにエネルギーを吹き込む
組織自体は無生物で、意思を持たず、構成メンバーの気持ちもばらばらに。同じ方向性や意思を吹き込むのはリーダーの役割
不況になると、人間関係が壊れた企業から倒産していく
リーダーの率先垂範の行動、自己犠牲の精神が組織を変える
企業におけるリーダーの役割と重要性
 ↓
現実を正しく把握し、受け止め、難局から逃げないこと
必要な変革には痛みを伴っても、果敢に向き合う
正面から、タイムリーに、スピーディーに、全力で
                              
ユリウス・カエサル(B.C.100~B.C.44)
「人は現実のすべてが見えるわけではなく多くの人は見たいと思う現実しか見ない」

☆多くの破綻企業は問題を見つけても、対応を先送り、放置してきた。
(「景気がそのうち回復すれば」、「自分もあと3年で定年だし…」、「これまでも、何とかなったし…」等)

 

②リーダーは組織のモラルを体現する
公正なルールのもと、フェアプレーで競争に勝つことが求められる時代ルールを守れない企業は、ペナルティを受ける。
「風儀は上より起こるもの也(佐藤一斎「重職心得箇条」より)」
 ↓
たくさんの人との出逢いを大切に。長く誠実な交流を
・一緒に切磋琢磨していける仲間
・自分を導いてくれる師
☆逆境だからこそ巡り合える、素晴らしい出逢いがある
☆志、価値観、夢を共有できる人との「出逢いの一瞬」を逃さない
「人間は一生のうち逢うべき人には必ず出逢う」(森信三)
☆損得勘定や相手の地位等で付合いを変えることなく、常に誠実に
「人材(リーダー)は群生する」(稲盛前会長)

 

③組織や組織業績は、リーダーの器以上に大きくならない
組織や業績を立派にしていこうとするなら、リーダー自身が人間性を高め、人格を磨き成長していく以外に方法はない
リーダーは日々深く学び、心を高め、実践することが肝要
 ↓
何歳になっても、リーダーか否かに関わらず、常に「自律型・自己責任型」の生き方を目指してください。
☆ 未来を他人や環境任せ、運頼みにすると、未来は
→ 不確実で、不安定で、不安で、不満なものに…
☆ 未来を自分で切り開く、自己責任と考えると、未来は
→ 夢と希望と可能性に満ちてくる
→ 部下はそんな上司についていきたいし、天は(世間
は)そういった人を応援します
「企業の破綻・再生劇は言い訳との戦い」(冨山和彦氏)

人生・仕事の方程式(稲盛前会長)

人生・仕事の結果= 考え方x 熱意x 能力
・「人間として何が正しいか」=ベーシックな道徳観
・善なる心、美しい心(思いやりと愛、利他の精神)
・謙虚で素直な心
・明るく前向きに
・自分が日々、生かされていることに、感謝、
そして反省を忘れない


逆境だからこそ多くの学びがあった。たくさんの人との出逢いを大切にする。人との繋がりの大切さ、常に自立型、自己責任型を目指すこと。など多くを感じ心に染みるお話しを拝聴させていただきました。ありがとうございます。(469)


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